【第18話】一本の線から始めることができなければ何事も為せない
そう、これは私が社会に入ってから、
また美術に戻って来て学んだこと。
芸術の世界(色んな芸術があるけど)って本当に旧態依然としている。
情報も技術も半世紀位遅れている、、ように感じる。
最先端アートには空間を活用しての大規模なプロジェクトマッピングとか、
今話題の落合 陽一さんとかのシャボン玉に投影するメディアアート的なやつとか、
テクノロジーとともに進むアートのかたちもある。
そこまでいかなくても?
というか、まぁ色々調べてみると、
壁掛けの絵画風の映像投影機(ニュアンス伝わる?)だったり、
Creema的なC to Cでの絵画販売サイトも海外ではたくさん見つかる。
要するに、アートも時代と共に変化し、
新しい価値観や楽しみ方が生まれて来ていると言っても過言ではない。
その中で、典型的な油絵だったり、水彩だったり、
「ザ・絵画」的な芸術を扱うところにいる私は、、どないするんや!(笑)
やはりビジネスとしてもはっきり言って旧態依然としていると思う。
ただ、時代がタイムスリップしたような感覚の中で、
それなりにみえてくるものもある。
社会の5/1くらいのスピードで進む中で、
じっとーーりと色々な絵画を見つめていると、(笑)
筆跡が伝わってくる。
最近、ついに自分でも絵を描きたいという想いが蘇って来て、
ちゃんと再開してみたのだけど、アクリルなのに、
それでも!!ものすごいめんどくさい!(笑)
まず、画材やさんにいってたくさんの画材から道具をセレクトして買ってくる。
そこもなにげに頭使うし。
自分の浮かぶイメージを保ちながら、
下地塗って、下書きして、一色一色理想の色を作って、
キャンバスの上で形作っていく。
油絵の場合、乾かすのにもさらに時間かかるからね。
そして、私のは裸だけど、額縁とかもこだわってたら、、ほんま大変や。
色々頭の中で合理的に考えて無駄を省きながら生きている私だけど、
頭の中では描きたいイメージが次々と湧いている。
だけど、それをひとつの作品に仕上げていくのが、ものすごい体力と神経使うのよね。
当たり前だけど、どんな作品にも最初の一筆があって、完成地点(画家はなかなかそこを決められないが)が存在する。
忘れていたけど、そういえば小学校の頃はちゃんとものの成り立ちとか仕組みを勉強していたよね。
ところが、どんどん賢くなって、面倒くさいことを省いて快適に生活をしていると、
例えば、牛丼っていうものが牛丼として受け取るようになる。
どんどん元を辿れば、牛と米と自然に辿り着くという、当たり前のことに気付く。
ぱっと魔法みたいに美しい絵が出来上がるのではなく、
誰かがゼロから作品を作り上げている。
そういう目で是非、名品と呼ばれる絵画を観て欲しい。
世の中でも同じ。
ぱっと成功した(ように見える)人がどんなに羨ましくても、
魔法みたいに成功は生まれない。
まやかしのものはすぐに消えていく。
物事を為すには大河の一滴から始まることを知り、
飽きずに徒労を重ねる。
あ〜私もまだまだたくさん、信望と鍛錬がなきゃ、
何もできないな〜〜と反省。
つづく