アートと社会をコトバでつなぐ「〜アートは時代の先をゆく〜」

芸術活動家(普段は外資系企業の会社員)mikimalismのアートについて考えるブログです。

現役☆銀座の画廊スタッフに聞く☆「絵画の探し方」「アートの楽しみ方」

【鑑賞記録】原美術館「ソフィ カル - 限局性激痛」

 

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雑誌に出てて気になったので行ってみた。限局性激痛とはなんぞやと思ったけど、限局性とは医学用語で限られた狭い範囲ということで、要はめちゃくちゃピンポイントの痛みということ。その痛みとは作家の日本での滞在の体験とその後に待ち受ける体験で、その後色々な人の痛みの体験談を聞く内についにはその痛みがなくなってしまった、というストーリーを、主に写真と、実際の手紙や刺繍された言葉とかで表現している。こういってしまえばそれまでなんだけど、そこに至るまでの手法が面白い。私的に「フランス人女性アーティストの発想っぽいな~」っていう印象がした。注)私の最も影響受けたアーティストは仏アネット・メサジェである。

最初から自分の作品を理解してもしなくても構いません、私はただ芸術家として表現をしました的な、ふわっとしつつも潔いスタンスを感じて、その謎な文脈を辿らされる鑑賞者は惑わされるが、よく観るとちょっぴり狂気や偏執さもエッセンスとして入っているのが、愛嬌として面白い。

そして後半は他の人の痛みのストーリーと交互に自分の痛みについて思い返すということが、ある方法で表現されている。割と言葉で理解するように仕向けられてて、似たような言葉が繰り返し繰り返し目に入ってきて最初は「?」って感じだけど、次第に言葉的にも視覚的にも徐々に変化をしていたということに途中で気づくと、もやもやしたものがじわーっと溶けてくる。痛みという体験と丁寧に向き合い、鑑賞中に鑑賞者にも変化を感じさせるという試みを感じられた。

コンパクトな感じの展示だったけど、人も多くなく、お洒落な方や外国人も訪れていたし、なかなか良かったです。そして私はやっぱり女性のアートが好きだなぁ。アートっていいですねぇ。

 


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