アートと社会をコトバでつなぐ「〜アートは時代の先をゆく〜」

芸術活動家(普段は外資系企業の会社員)mikimalismのアートについて考えるブログです。

現役☆銀座の画廊スタッフに聞く☆「絵画の探し方」「アートの楽しみ方」

【第15話】脱却とアート

ここから抜け出したい

重くてやるせないものを突き破りたい

話し合いでは平行線をたどる人たちになんとか想いを伝えたい

ちっぽけな一人の存在から、多くの人を痺れさせて気付かせる特効薬になりたい

 

こんな感じがアートの源泉だと思う。

 

例えば、草間彌生さんのアートな生き方。

私は草間彌生さんとっても好きで尊敬していて、

「わたし」サイズで実行していきたいと思っている。

 

今だから言っていることが分かる。

VOGUEのインタビューで言っていたこと。

 

最後の日まで闘う。

芸術が愛と平和をもたらす。

この気持ちは後世の人たちに何百年も何千年も受け取って、

作品を観てほしい。

死の彼方まで永遠につきることない人間の創造性と悲壮性に、

心打たれて生きていってほしい。

 

みたいなことをおっしゃっていた。

多分、分からない人は一生分からないし、

多分、「変な人だ」とか思う人もいると思うけど、

私は芸術を信じるものとして、

かよわくてたどたどしい口調に、

ものすごく純粋で強い心のありように感動を覚えた。

 

女性だからという理由で日本の美術業界での偏見と苦しみを体験し、

社会への絶望でひたすら作品制作に没頭してた時代や、

NYでの名だたるアーティストとの交流や活動があったからこそ、

逆輸入的な形で今(といっても結構前からだけど)再注目されて、

日本が口を揃えてクサマヤヨイの名を叫ぶようになっている。

 

本当に自分の想いが伝わって受け入れられているのか、

多分複雑な気持ちだろうけど、

それでも世間を振り向かせたという意味では堂々の勝利だ。

 

アーティストは何に闘っているのか。

その答えはやっぱり自分にしかなく、

人から見たら「わざわざ苦しい生き方をしなくても」と思うくらい、

それでも常に社会の何かに矛盾と突破したいものがあって、

そこからくる自分の反応を作品に変えているのだと思う。

 

私も日本の美術業界に対しては矛盾と憤りを抱える場面もある。

でもだからこそアートのインスピレーションが浮かぶようになってきたし、

それを具体化することもできる。

でも、既存のルールと組織のやり方に正直頭打ちを覚えることもあるし、

もっと構造改革から変えるべきところもある。

そうしたら逆に外から、

芸術で社会にインパクトを与える方法はないかと思っているが、

美術業界を離れた瞬間、

アートの筋肉が衰えてしまわないかということと、

閉鎖的な組織に締め出しをくらうことが不安なのである。

 

どっちつかずで悶々とする日々も意外と大切な時間なのかもしれない。

 

 

 

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